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アートについて悩んだあげく ダメになっていくブログ。

かしこい生活

ジェフ・クーンズ Jeff・Koons

1955年生、アメリカ出身

 

ジェフ・クーンズの作品はしばしばシミュレーショニズムと

カンテゴライズされたりする。

 

シミュレーショニズムと呼ばれる美術のムーブメントを詳しく説明しようとすると、

なかなか、長くなると思うが、簡単にするならば、

1980年代、時代が現代になり、大量生産や、コンピューターの発明と普及により、

オリジナルとコピーの区別がなくなるのでは

という問題定義がされたなかに生まれた運動で、

様々な物を、

切り取り、くっつけ直したり、

混ぜこぜにしてみたり、

引用してみたり(よくパクリでは?と言われる)、

 

音楽で言うともっとわかりやすくて、サンプリングとか、リミックスとかをする事だ。

これをビジュアルアートの中でやる訳だが、

もちろん、見た目を切って貼って、混ぜて、引用したりするのだが、

その他にも、本来、物が持っていた「意味」をまた、切り貼りしていく。

ビジュアルの部分もまたそうだろうが、

意味を引用して切り取り混ぜ合わせてしまうと別の物が生まれていく。

 

ジェフ・クーンズの作品はそう言う手法を使っていると言われる。

 

 

Reference/参照

(http://www.moma.org/collection/object.php?object_id=81173)

 

 

スリー・ボール・50/50・タンク(Three Ball 50/50 Tank)と言うタイトルの作品。

水槽の中にホルムアルデヒドを半分まで入れて、

そこへ、バスケットボールを三つ、半分まで入れる。

バスケットボールという中に空気が入ったボールが水面に半分入っている様は、

バスケットボールは肺の意味の代わりを担い、水面に半分入る様は死のシンボルなのである。

そして、もう一つのイメージとしてバスケットボールは子宮をイメージさせるのだろう。

 

さらに、クーンズの作品では、バスケットボールは他の作品にも度々登場し、

少年の夢のような意味を持たせられたりする。

 

ジェフ・クーンズについては書こうとすると物凄く長くなりそうなので

ここでは初期作品だけの紹介になるが、

ジェフ・クーンズは美術の世界で認められ始めた時に、

すぐにイメージ・コンサルタント(アメリカ大統領選などでも候補者が各々雇う

イメージの管理をするような職業)を雇い、

普段はスーツ姿で、

まさに彼自身が

有能なビジネスマンのようなに

ジェフ・クーンズ像(美術家ジェフ・クーンズという「意味」)

を構築しているのである。

 

 

 

”重要なのは、みんながかしこく生活する事なんだ。”

 

 

 


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