球体関節人形と詩の融合
ハンス・ベルメール Hans Bellmer
1902年生、ドイツ出身
ベルメールはシュールレアリズムの運動の中で
特に球体関節人形の作品で有名だ。
彼の作品は足があって、腰があって、
その腰からまた、足が生えていたり、
肩から腕の代わりに脚が生えていたり、
全てのパーツがバラバラになっていたり。
およそ、子供のサディスティックな衝動のような
狂気めいた雰囲気が漂っている。
ここでは、
何故、彼の作品の人形が、
バラバラになっているのか、探ってみた。
それは、まず彼の出身がドイツで
時代が世界大戦の時代だという所に起因していく。
そして、ベルメールなどは、
その中の本当の意味をバラバラに配置し、
それを意味不明に近い詩として、
その情報統制から逃れようとしたのだ。
そのバラバラな文字が、
人体に置換され、ある種の異様な形となり
彼の球体関節人形は色気を帯びていったのである。
いわば、アナグラムのシステムを持って、
ビジュアルアートに応用したのだ。