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アートについて悩んだあげく ダメになっていくブログ。

球体関節人形と詩の融合

1902年生、ドイツ出身


ベルメールはシュールレアリズムの運動の中で
特に球体関節人形の作品で有名だ。

 


しかし、ただ人形を作ったのではなく
彼の作品は足があって、腰があって、
その腰からまた、足が生えていたり、
肩から腕の代わりに脚が生えていたり、
全てのパーツがバラバラになっていたり。
およそ、子供のサディスティックな衝動のような
狂気めいた雰囲気が漂っている。

ここでは、
何故、彼の作品の人形が、
バラバラになっているのか、探ってみた。

それは、まず彼の出身がドイツで
時代が世界大戦の時代だという所に起因していく。

彼が作家として初期の人形を作り始めた時、
ドイツにはベルリンの壁が出来たりして、
政府の情報統制が厳しくなっていった。
人々は手紙を書く際にも、本心を書けずにいた。

そして、ベルメールなどは、
その中の本当の意味をバラバラに配置し、
それを意味不明に近い詩として、
その情報統制から逃れようとしたのだ。

 
そのバラバラな文字が、
人体に置換され、ある種の異様な形となり
彼の球体関節人形は色気を帯びていったのである。

 

いわば、アナグラムのシステムを持って、

ビジュアルアートに応用したのだ。

 


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