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アートについて悩んだあげく ダメになっていくブログ。

欲望の機械の詩

レベッカ・ホルン Rebecca Horn

1944年生、ドイツ出身

 

彼女の個展は2009から2010にかけて三ヶ月半くらい

東京都現代美術館でやっていたのを、どの日だったか見たのであるが、

素晴らしかった記憶がある。

Reference/参照

http://www.mot-art-museum.jp/exhibition/107/

 

作品の種類は、彫刻、写真、フィルムなどなど多岐にわたるのだが、

今回は彫刻作品、その東京都現代美術館の展示でも、多分目立っていた

だろう、ピアノの彫刻作品を見たい。

 

 

アナーキーのためのコンサート

 

 

天井から逆さにつられたこのピアノは

簡単に言うと、欲望を、エロスを表しているという見方が出来る。

第一にピアノは女性的なのだ。

 

それが天井から逆さに吊るされて、

何分に一度、ジャーンとピアノの音が叫んで、

ピアノの蓋が開き、鍵盤がビョーンと出てくる。

これはそのまま、エロティックな表現としてみていいのだろう。

 

彼女の作品には知覚や身体性や欲望といったキーワードがみられる。

 

”machines that mimic the mechanisms of desire, 

they betray the longings beneath the surface of everyday things. 

Often erotically charged, 

these works express anthropomorphic anxiety and sensuality.”


"欲望のメカニズムを模倣した機械。

これらの作品は、日常の事物の下に隠れた熱望に背き、

しばしば、官能的にみなぎっている。

それらは、熱望や官能を

機械で擬人化される事によって表している。"

 

Refference/参照

http://www.tate.org.uk/servlet/ViewWork?workid=26592&tabview=text

 

と訳して適当だろうか??

 

機械(ここではピアノ)が普段日常で期待されている効果、

(鍵盤を押したら、音がでる楽器と言う効果)に背き、

通常ではありえない配置のされかたで

全く異なる官能的な効果を発揮している。

そして、2,3分に一度というのも、どこか生物的な待ち時間なのである。

絶え間なくジャンジャカ鳴っているのではなく

しばしの静けさの後、

ジャーンと官能が広がるのです。

 

 

調べていて、みつけた文章で

 

”最近は、めっきり現代美術作家で

「詩」を持った機械を作る人が減ってしまった。”


”機械は人間に対し、ふたつの仕事をする。

物理世界に対する仕事と、精神的に対する仕事だ。

精神に対して仕事をする機械には詩がある。”

Refference/参照

http://maywa.laff.jp/blog/2009/12/post-b189.html

 

という言葉を見た。

レベッカ・ホルンのアナーキーのためのコンサートには

そんな詩がある。

 


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