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アートについて悩んだあげく ダメになっていくブログ。

透明人間の作り方

Jin Young Yu ジン ヨン ユと発音するのかな。
ユがファミリーネームで、ジン ヨンがファーストネームかしら。
韓国出身の彫刻家。

reference/参照





彼女の作品は、PVCシート・ポリ塩化ビニールのシートを、石膏の型の内側に貼って熱して石膏型に馴染ませて形を取る、なにやら強度とか心配な慎重な作業を想起させる作り方。
 
およそライフサイズの人体なのだが、
体のPVCの部分が透明になっている。
見えない人々、作家自身も誰かは知らない人々。
 
メインのテーマは、透明な存在らしい。それは、存在してもいないし、していなくもない存在。
この人々は社会などから疎外されて、憂鬱そうな心情の人々。
そして、この彼らの様な状態には、誰しもがなりうるのである。
 
その像の表情は涙を隠す様に、何やら印象的なマスクのような奇妙な表情を装わされているらしい。
 






面白いのは、展示の際には
これらの人々はコーナーや、もしくは何かの影になる場所に設置されて、
観覧者はその展示の場に入って一瞬はどこに何があるのかわかりづらいように設置、配置されていたりするみたい。
 
また、作家自身も、引きこもり気質というか、外に出るよりお家で制作してたい。たまに飲み会やパーティーなどに招待されて行っても、彼女の作品と同じくコーナーに居座って、早く帰りたいなぁなんて思ってるみたいなことをインタビューで語っている。
 
まさに作家自身も、透明な存在で見えない人なのだろう。
という事はある種の自画像的な要素もあるのだろうか。
 
僕は何よりもこの透明な素材が気になった。透明人間に興味があって調べてた時に出会った作品。その作家自身が透明人間だったのだ。