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アートについて悩んだあげく ダメになっていくブログ。

酸化した思い出

リチャード・セラ Richard Serra
1939年生、アメリカ出身

リチャード・セラのキャリアは1960年代のアメリカで活発化する
ミニマリズムの中でその初期が始まる。
しかし、
ミニマリズムと分類ももちろんできるが、
その作品が表現する物は、やはり
サイトスペシフィック(特定の場所に設置される事を
前提として作られる)な作品と言う事に限るだろう。
 
後期の彼の作品は特にその大きさに圧倒される
巨大なのである。
巨大な鉄の板がガンガンと垂直に立っていたり、
優雅な曲線をたたえてそびえている。
 

 

 

Promenade

 
 
 
 
”(His work)emphasizes materiality and
 an engagement between the viewer, the site, and the work.”

”(彼の作品は)素材の力と、見る物と場所と作品の間の関連性を重要視する。”
 
Reference/参照
 
まさにその巨大な作品は、都市のビル街の真っただ中に突然そびえたち、
見る物はその中をさまよう事もできる。
大きさとサイトスペシフィックな機能を見ると
その作品はまさに彫刻というよりも彫刻に近い建築物のような様だ。
 
そして、
わざと表面に錆をつける事によって
それは制作の過程での出来事を定着させる事
思い出や時間を表現する事に成功している。
 
これをもって彼の作品はモニュメントと良く言われるが、
土地やその場所、そしてそこにある人々の思いを反映していく
記念碑ともいえるのである。
 

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