アートメンチ.com

アートについて悩んだあげく ダメになっていくブログ。

ぽっかりした丸に吸い込まれる

アニッシュ・カプーア Anish Kapoor
1954年生、インド出身、イギリス在住


建物と建物の間や、緑あふれる草原の中に
突如、まあるい空がある。

sky mirror




その、巨大な作品に潜り込むと、自分が立っている自分の足が接している平面以外の
空間の存在がわけわからなくなる。

cloud gate

 





などなど、魔術師とも形容されるアニッシュ・カプーア
その代表作の一つのシリーズは、
磨きに磨かれたステンレスの彫刻だ。


”he has explored what he sees as deep-rooted metaphysical polarities:
presence and absence, being and non-being, 
place and non-place and the solid and the intangible.”

”彼は哲学的に深く根差している両義性
存在と不在、実在と非実在、空間性と非空間性、固体と無形などについて考察している。”

Reference/参照


この両義性という物がなるほど上手く盛り込まれている。
これは彫刻立体作品なのだが、見る者はその鏡のような湾曲した平面に映る景色をみるだろう。
鏡面に映る丸い空の存在はどう説明するのか、と哲学的な問いを投げかけてきそうだが、
何よりもぽっかりと丸い空があるなんてビジュアルが面白い。
作品名だって、Sky Mirrar、空の鏡。わかりやすい。
この二つの意味合いを込めるような、絶妙なバランスは
例えば、東洋と西洋の文化の両方か混ぜた感覚なのだろうか。

また、彫刻家としての、形に対してのこだわりの他に
この作家は色に対しても他の作品で面白いアプローチをしているのだ。
が、それは次にしよう。



にほんブログ村 美術ブログ 現代美術へ