アートメンチ.com

アートについて悩んだあげく ダメになっていくブログ。

うさぎはとっても釘とか大鋸屑が好き

1934年生、チェコスロバキア出身


ヤン・シュヴァンクマイエルの作るシュールレアリズムにも分類されるフィルムは
どうにも奇妙で、美しくも不安にさせられる。
そのフィルムはアニメーションやコマドリを使った人形が動く作品が多い。
このコマドリ表現は執拗に使われ、カクカクした動きがさらに不安を煽る。

 

シュヴァンクマイエルのアリス 01】


これは、「マニピュレーション、不正操作」という彼の作品のテーマを表す
重要なファクターになっているのだろう。

そして、もう一つ、シュールレアリストの共通の課題である、
フロイト哲学に通じる、さまざまなメタファーがこれでもかと、出てくる。
適当な物が見つからず、Wikiからのクォートだが、
例えば、


作品では「食べる」という行為を頻繁に扱うが、作中に登場する食べ物は不味そうに見えたり、
執拗なまでに不快感を催すような描写がされたりする
(人 物がものを食べるとき、口を画面いっぱいに広がるぐらいにズームして強調する、など)。
こうした描写の理由のひとつとして、
本人が「子供の頃から食べると いうことが好きではなかったからだ」と発言している
(「シュヴァンクマイエルのキメラ的世界 幻想と悪夢のアッサンブラージュ」)。

「食」に関わるもの以外では、性的(エロティック)なメタファーが多く用いられるほか、
両開きのタンス・引き出し付きの木の机・動く肉片や衣装など、
複数の映像作品に繰り返し登場するモチーフが目立つ。
人間の運命や行動が何ものかに「不正操作」されている、
という自身のイメージを投射した作品も数多い。
 
Reference/参照
 
 
フロイトの心理学、夢診断もまた、全ての精神的要因を、
深層心理の、性的なファンタジーに置き換えるのであるが、
シュヴァンクマイエルのフィルムでは、
この本能的な事象を、コマドリを使う事で、
不正操作をされている事が表現されており、
本能までコントロールされてしまうその不安感、
あがないえない、大きなモノへの恐怖が
この不思議の国のアリスを題材としたフィルムを
より不思議にしているのである。