アートメンチ.com

アートについて悩んだあげく ダメになっていくブログ。

物量にやられる

アイ・ウェイウェイ Ai Weiwei

1957年生、中国出身

 

アイ・ウェイウェイは沢山の人を動かす、

とにかく自分も他人も多くの人を動かすそんな印象を受ける。

まるで今の中国の力を見せつけるような感じだ、と簡単に言ってしまっても良いとさえ思う。

 

2010年10月からの半年くらいイギリスのテートモダンで

"Sunflower Seeds"という題名の大規模な展示を行ったアイ。

一億個の陶器でできたヒマワリの種を床に敷き詰めた作品だ。

 

 

 

 

それはやはり中国を表す。

まずは陶器、陶器は英語でチャイナ

その名の通り、この作品内では中国を暗示するだろう。

一億という巨大な個数もそれを示すだろうし、

ヒマワリという花も毛沢東文化大革命のイメージを喚起させる、

毛沢東という太陽に向かって、国民というひまわりが咲く。」という事だろう。

 

この一億というヒマワリの種の制作を、アイは中国の陶器の制作で有名だった村に依頼する。

そして、約二年間という制作期間でさびれていた村に仕事が出来、

村が豊かになる。六千人という人が一つ一つ手作業で作ったヒマワリの種は村をも復興させる。

圧倒的な個数で。まさにチャイナパワー。

 

そして、僕はこの時期に中国のアーティストがテートモダンでエキシビションをやったという事に意味があり、

これから中国が世界のトップにドンドンのし上がっていくのかと、何か時代の変化を感じた気がした。

それ程の物量でもあった。

 

しかし、

アイは中国のポジティブな面だけを主題として扱っているわけでもない。

事実彼は、政治活動家としての面も持ち、

政府によって軟禁状態になっていた事もある。

 

この作品は中国と言う国の勢いと混乱を表す。

 

次の引用した文章は、四川大地震の死亡行方不明者の数を公表しろとアイが

政府機関に電話をした時の事だ。

 

“でも政府は「おまえは誰だ?」と訊き、私は「一個の人間だ」と言いました。

中国では一個の人間としてでは政府の情報を知ることができないようです。”

 

Reference/参照

http://www.art-it.asia/u/admin_ed_contri13_j/bL4U0NYtkspS2weWuldJ/

 

 

一億のひまわりの種の展示はパッと一瞬見ただけでは、

個々が何なのか瞬時にはわからない、そこで見る者はその種の中から

一粒、拾って見てみる。ああ、ひまわりの種だと。

 

一億のひまわりの種から一粒拾うと一億の中の一つになる。