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アートについて悩んだあげく ダメになっていくブログ。

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ジェイク&ディノス・チャップマン Jake & Dinos Chapman

1966年と1962年生、イギリス出身の兄弟

 

チャップマンブラザーズはそのグロテスクの極みの様なセンセーショナルな作品だが

ターナー賞にノミネートもされたYBAsの枠に入る作家だ。

 

その作品は子供のマネキンの鼻を男性器に挿げ替えた一見ピノキオの様な彫刻や

戦争時の地獄絵図を30000個の小さなフィギュアを改良して作り上げたジオラマなど、

奇形や戦争、恐怖や暴力といったセンセーショナルなイメージで

政治や宗教や道徳などのテーマを再構成して問題をあぶり出すスタイルである。

 

 

 

 

特に最初、例えば、マネキンならば後ろ姿は普通の子供の姿、

ジオラマも一見、山や川の大地の起伏が見えるのだが、

近づいてみて、世界がガラリと変わる、

裏の意味を持たされている様な見せ方なのである。

 

 

 

 

もう一つ、有名な作品で、出土された古代のアフリカの民芸品の様な形なのであるが

良く見ると現在の資本主義の代表格のマクドナルドのMの字が入った作品などは、

資本主義の終わりを暗示したのだろうかといった具合になり、

そのユーモアが受けているのだろう。

 

 

 

タブーへの挑戦もまた一つのテーマだろう。

美とはなんだという揺さぶりは、グロテスク表現へとつながる。

先の彫刻は、

子供というイノセントな素材に、性器を付けたら、

良いのか悪いのか評価をされる前に、

エキシビジョンの最中、18歳以下には見れないような

対応になった。

美術作品なのか、卑猥なただのマネキンなのか。

 

そして、彼らも二人の兄弟で一つのアーティストになる。

どちらが表でどちらが裏、という境界はないだろう。